SDアソシエーションについて
SDアソシエーションは、メモリカードのストレージに関する規格の策定と普及のための業界団体として、パナソニック、サンディスクおよび東芝の3社により2000年1月に設立されました。14社から始まったSDアソシエーションでは、現在約1,000社の会員企業がSD規格の設計と開発にあたっています。このことにより、企業はSDカードと機器間のよりスムーズな相互運用性を得、さらに快適なユーザ環境を実現します。
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SDアソシエーションは、ユーザーが使う機器に最適なカードを選択できるように、様々なメモリー容量や書き込み速度の規格を用意しています。
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世界がよりデジタル指向になるとともにテクノロジが発展し続けていますが、デジタル資産の保存に使用されるツールも例外ではありません。調査会社ガートナーによると、2016年までに、ネットワークに接続された64億の「モノ」が使用されるようになります。さらに同社は、毎日550万の新たな「モノ」が接続されており、革新やテクノロジ変革に停滞の兆しはないと述べています。
スマートフォンが、自動車が、そしてその間にあるあらゆるアプリケーションがより多くのデータを生成するにつれて、ストレージの拡大ならびにセキュリティとデータ信頼性を備えるストレージソリューションへの需要が高まっています。
EMCおよびIDCによると、デジタルユニバースは2年ごとに2倍の規模に膨張しており、その中には増加しているオンラインですべてを行う人々や企業だけでなく、インターネットに接続されるあらゆる「モノ」、そしてスマートデバイスが含まれるようになります。2020年までに世界が生成し、複製するデータで構成されるデジタルユニバースは、44ゼタバイト (44兆ギガバイト)に達すると予想されています。
このようなすさまじいデータの増加に対応するために、SD Association (SDA) はより広帯域の仕様を開発しており、エンドユーザーがメモリカードを選ぶ際に選択肢を与えようとしています。したがってメモリメーカーは主流のアプリケーションやストレージの需要に応じるために、新たなテクノロジを使用してストレージ容量を増やそうとしています。
自動車分野も、このデジタルユニバースの一部と見なすことができます。例えば自動車用アプリケーションは、事故時の保険目的上ダッシュボードカメラやドライブレコーダーで走行ログを記録できるようにセンサーやコンピュータインテリジェンスを搭載しており、インターネット経由でクラウドやその他のスマートカーと接続されていることがあります。これらのアプリケーションの容量や利用は着実に増加していることから、自動車用アプリケーション向けのストレージソリューションは、大量のデータを保存するためのキャパシティが求められます。このようなアプリケーションは、例えば前述の走行ログをはじめ、車載情報通信、2D/3Dのナビゲーションとマップ、直観的な運転者支援システム、物流・車両管理、自律車両制御など、幅広い目的に役立ちます。結果として、このアプリケーションは継続的に流入するデータを受信しながら機能する必要があります。
消費者向け電子機器におけるストレージの進歩の一例がAndroid Marshmallowです。この最新Androidオペレーティング・システムでは、スマートフォンやタブレットのメーカーが内部および外部のストレージを組み合わせるテクノロジを開発することができます。 Marshmallowは、より正式にはAndroid 6.0として知られていますが、エンドユーザーが外部ストレージを内部ストレージとしてフォーマット化することにより、外部ストレージ (microSDメモリカード)と内部ストレージ (eMMC)を結合できるようにします。内部ストレージはランダムアクセスの速度を重視し、多くの小規模アプリにアクセスします。一方で外部ストレージは大規模ファイルの記録とシーケンシャルアクセス速度を重視します。 デバイスはmicroSDメモリカードを内部ストレージに結合すると、同カードを本体と認め、セキュリティを保全します。こうしてメモリカードは、内部ストレージのように動作するようになり、より大容量のストレージソリューションが形成されます。
キャパシティが増大し、デバイス上に保存されるデータが増えると、デジタルデバイスにおけるセキュリティ強化の必要性が高まります。
支援団体Consumer Reportsが実施した全国的調査によれば、成人で携帯電話の画面ロック以外のセキュリティ機能を使用しているのはわずか7%です。携帯電話は個人データが保存されているデバイスの1つにすぎません。セキュリティ実装の不備によってデータ損失や攻撃に対して開かれているそのほかのモバイルテクノロジについて考えてみてください。SD規格に提供される機能のほかにも、多数のカードメーカーによるさまざまな独自の施策があり、より高度なセキュリティ手段を実現しています。 以下にモバイルテクノロジのセキュリティに影響し得るSDメモリカード規格外の機能例を2つ挙げます。
1. 汎用カードリーダーを通じたパスワードロックユーザーはデバイス外部のアダプタスイッチを使用してカードをロックできますが、このハードウェア自体には保存されたデータを保護するためにパスワードを生成する機能がありません。パスワードロック機能があれば、エンドユーザーまたはホストデバイスが、通常の読み取り/書き込みコマンドを使用して、この機能をサポートすることができるでしょう。タブレットやスマートフォン上の多くのプログラムやアプリにパスワードが必要であるように、ホストデバイスのメーカーは、パスワードによってmicroSDメモリカードのロック/アンロックを行える機能を開発することに大きな関心を寄せています。
2. 保全エリア
microSDメモリカードは必ずしも個人利用向けとは限りません。共有ドライブ上の個人用フォルダのように、カード上に各個人向けの保全エリアを作成します。それによりユーザーにさらなるレベルのセキュリティを、侵害されてはならない重要な情報のために、microSDメモリカード上で提供できます。
モノのインターネットのデバイスは、しばしば中断なく稼働し、そのセンサーは秒刻みのデータを記録する必要があります。SDメモリカードから関連デバイスへのデータ送信のどんなわずかな遅れも、深刻な結果をもたらしかねません。遅延によってデータフローが遮断されると転送中のデータが失われ、対象デバイスに重要な情報が届きません。結果として、当該システムは最新情報を実装することなく機能しようとし、データの破損につながる可能性があります。
この問題の簡単な解決策は、データのバックアップを取ることです。デバイスはバックアップ用バッテリを備えるべきですが、SDメモリカードにはより合理的な方法が存在します。メーカーは、カードが以前の状態に復帰できるようにするためのバックアップコードをカードにプログラミングすることができます。さらにmicroSDカード業界は、より多くの機能をカード自体に組み込んでいます。
例えば、S.M.A.R.T. (自己監視、分析、レポーティングのテクノロジ:Self-Monitoring、Analysis、Reporting Technology)テクノロジは、さまざまな業種にわたって消費者と企業向けのソリューションに発展するでしょう。SDメモリカードの場合、S.M.A.R.Tテクノロジは健全性監視機能と考えられ、microSDメモリカードのステータスをホストデバイスに報告します。カメラ、タブレット、スマートフォンのようなデバイスは、カードがいつ寿命を迎えるかを把握できるため、エンドユーザーに新しいカードの購入時期を知らせることができます。こうしたタイプの監視システムは、何らかのタイプの外部ストレージに保存される重要な情報を保護する1つの手段として登場しました。
2020年までにデジタルユニバースを構成する、44兆ギガバイトのデータならびにそれらのデータを生成するであろう250億のデバイスを見据えながら、SDメモリカードテクノロジは、容量、セキュリティ、信頼性のために、さらに高水準の規格に挑み続けます。
アンドレ・チェンは、ファイソンのプロジェクトマネージャーです。メールアドレス: andre_chen@phison.com.
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