バスインターフェーススピード

バスインターフェーススピード

SDアソシエーションは、フラッシュメモリの進化によるSDメモリカードの容量拡張(SD、SDHC、SDXCおよびSDCU)と共に、バスインタフェースの高速化にも取り組んできました。SDメモリカードは、デジタルカメラにいち早く採用されましたが、イメージセンサーの劇的な技術進歩により、高解像度撮影や連射が可能な高速メモリカードの市場要求が高まりました。バスインタフェースの高速化は、デジタルカメラの撮影性能向上に大きく貢献しました。

SD1.0

最初の規格は12.5MB/sのバススピードが採用され、現在はこれをデフォルトスピード(DS)と呼んでいます。

SD1.1

2倍の周波数のクロックを使用することにより倍速になった、25MB/s のハイスピード(HS)モードを追加しました。

SD3.0

クロック周波数を限界まで高くすることでさらに4倍の高速化を可能にしたUHS-Iモードを追加しました。従来のインタフェース(第1ロウ)を用いているためDS,HSモードと共存でき、少ないピン数で接続が可能であるという特徴があります。UHS-Iには、50MB/s(SDR50)および 104MB/s(SDR104)の2つのスピード区分があります。50MB/s のDDR50はクロックの両エッジを用いる方式で、デューティ比50%の精度が要求されますが、クロック周波数を半分にしてEMIを低減できるため、主にmicroSDで活用されています。

SD4.0以降

さらなる高速化要求に対応するため、UHS-II (SD4.0)、UHS-III (SD.6.0)、SD Express (SD7.0)のバススピードを追加しました。UHS-Iの従来信号方式ではこれ以上劇的なバス速度の向上は見込めないため、これらにはLVDSと呼ばれる低電圧差動信号による高速伝送技術を採用しました。LVDSは専用の端子が必要なため、送信用差動2端子と受信用差動2端子を第2ロウに配置しています。ホスト機器には、コネクタなど第2ロウのサポートが必要となります。従来バススピードの互換性は、第1ロウによって維持されます。

UHS-II / UHS-III

UHS-IIについては、差動ペアの方向を切り替えることで2倍のデータ転送スピードを可能にしています。通常差動ペアは、一方が送信で他方が受信となっていて、これを「フルデュープレックスモード(FD)」と呼んでいます。双方向同時にデータが送ることができ、例えばフロー制御などホストとカードでハンドシェイクする場合にも使用されます。データ転送中に両方を送信または受信にすることでバス性能が2倍となり、これを「ハーフデュープレックスモード(HD)」と呼んでいます。データ転送は一方向に制限されますので、ひとつのアプリケーションがSDメモリカードを専有できる用途に適しています。マルチタスク化と設計容易性から、UHS-IIIはフルデュープレックスのみの動作となります。UHS-IIは156MB/s(FD)、312MB/s(HD)のバス性能を持ち、UHS-IIIは624MB/s(FD)のバス性能があります。

SD Express

SD Expressでは、PCI規格上フルデュープレックスのみの動作が定義されています。PCIe Gen.3インターフェイスとNVMeプロトコルを使用し、最大985MB/sのバス性能を実現します。

バスインター
フェース
カードタイプ バスマーク バススピード 仕様
バージョン
ノーマル
スピード
SD, SDHC, SDXC and SDUC --- 12.5MB/s 1.01
ハイスピード SD, SDHC, SDXC and SDUC --- 25MB/s 2.00
UHS- I SDHC, SDXC and SDUC 50MB/s
(SDR50, DDR50)
104MB/s (SDR104)
3.01
UHS- II SDHC, SDXC and SDUC 156MB/s Full Duplex
312MB/s Half Duplex
4.00
UHS- III SDHC, SDXC and SDUC 312MB/s Full Duplex
624MB/s Full Duplex
6.00
SD Express SDHC, SDXC and SDUC 985MB/s
PCIe Gen.3
7.00

メモリアクセスの最大性能は、バスI/F速度だけでなく、内部のメモリ性能、およびバスタイミングのオーバーヘッド(データ転送中の未使用バス時間)などによって決まります。